磨き残しをそのまま放置しておくと、食べかすはすぐに細菌が増殖して、細菌のかたまり（プラーク）になります。プラーク１ｍｇの中には、約１０億個の細菌が存在するといわれ、これがむし歯や歯周病の原因となります。

プラークは粘着性が高く、なかなか落とせません。このプラークの中の細菌が毒素をだし、歯ぐきに炎症を起こして歯周病を引き起こします。このプラークを定着させないことが、歯周病の予防につながります。

お口全体的な歯周病で、全体的に水平に骨が溶けているときは、元の位置にまで回復することはありません。上の方の溶けていた骨がもどる程度で全体的に骨が上がってくることは困難です。その時の治療の目標は、炎症を抑えこれ以上の骨が溶けだすことを防止することです。

局所的に骨が溶けているところは、歯周基本治療やその後の歯周外科、または同時に再生療法を行うことによって、かなりの程度、骨が回復することができます。

タバコに含まれるニコチンには、血管を収縮させる作用があり、歯ぐきが炎症を起こしても出血しにくい状態になります。そのため、細菌から歯ぐきを守る白血球や壊れた組織を作る細胞などの機能が低下し、細菌が引き起こす炎症のコントロールができなくなるため、歯周病が悪化していきます。

歯ぐきが、出血しにくく赤く腫れにくい状態のため、なかなか自覚して症状を認識することが難しく、気づいた時には歯周病が進行していることが多くなります。

喫煙量が一日１０本以上になると歯周病になるリスクが約5.7倍になるという報告もされています。すぐにやめることはできないと思いますが、少しずつでも少なくすることが歯ぐきの健康を守るうえでとても大切なことです。